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なかどて解明部!!

なかどて解明部とは、弘前古来の中心商店街 『 中土手町 』
( 通称「なかどて」。 町を取っただけ。シンプル )
のあちこちに転がり日夜市民を悩ませている謎を解明し、
人々の心の霧を晴らす秘密の部活動である。
解明の基本的な手段は、「本体に直接疑問をぶつける」
と、いたってシンプル。要するに当たったり砕けたりってこと。

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第5回例会「何を切るか、それが問題だ」   [’07.10.12]

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栄えある第5回例会の解明箇所は、専門店の多いなかどてならではの「利研刃物店」。夏には店先に沢山の風鈴を下げ、道行く人々に涼を届けているアノお店だ。
「何が謎?」と首をかしげているそこのアナタ!!あそこを金物屋さんだと勘違いしてはいなかっただろうか?部長の調べでは、なんと半数近くがそう思っていたのだ。(まぁ、部長の調べなど当てにはならんが)

誰もがその店を知っているのに、内情はほとんど知られていない。
これを謎と言わずして何を謎というのだ!
早急に解明せねばならんーーーッ!!

・・・こうして、部長の「専門店好きの職人道具好き」な性質に巻き添えを食う部員達。誰かが職権乱用、と呟いたが部長の耳には届かなかった模様。

弘前市中土手町の利研刃物店さん
・弘前市中土手町の利研刃物店さん

8月某日昼前、部員集結。早速解明開始。
さて、笑顔で迎えてくれたのは、利研刃物店の代表の今井満さん。
S30生まれ、魚座のB型。好奇心旺盛で行動力もアリ、ってカンジだろうか。 「B型だからねぇ、おおざっぱなんですよ、あははは」 と、張りのある声で元気よく笑う今井さん。明るい人だなあ。第一印象すこぶる良。

 代表の今井満さん
・代表の今井満さん

ここって、ずいぶん古くからやってるお店なんですよね?
「昭和21年からです。刃物をメインに雑貨も取り扱ってますよ」
昭和21年ってーと・・・日本国憲法公布とか天皇の人間宣言とかか。
戦後間もなくの創業。ってことは、弘前の復興とともに歩んできたお店なのだ。
所狭しと店内に並べられた品物を、今井さんがひとつずつ手にとって説明してくれる。

「刃物は専門だから、業務用も沢山置いてますよ。これが職人さん用のセラミックの刺身包丁」(写真参照)
すらりと差し出されたその刃の美しいこと美しいこと。
ほぉ、と溜め息をついたまま言葉も出ない我々。

「そしてこれがうなぎ包丁」(写真参照)
ほぉ〜。

「で、これが冷凍包丁(写真参照)。両手で持つと力が均一にかかって切りやすいんですよ」
ほぉ〜ほぉ〜。

刺身包丁

うなぎ包丁

冷凍包丁

・・・はっ、いかん、「ほぉ」しか言ってないし。

我に返った我々は、ようやく質問。

これだけいろいろ揃ってるところは、この近辺ではありませんよね?
「そうですね、少なくとも津軽ではここくらいでしょう。遠い所だと、大館や角館、五所川原からもお客さんがみえますよ」

利研さんでは砥ぎもやってくれるんですか?
「ええ。手入れは大切です。刃物は結構な値段がついていますが、きちんと砥げば長く使えますからね。業務用なら毎日砥ぎますが、家庭用なら3ヶ月に一回の割合で」
そういえば昔はウチにも砥石があったなあ。
「今は使い捨ての刃物が主流。しかもその方がよく切れたりして。せめてリサイクルができればいいんですけどね」
確かに、いくらよく切れたってすぐにゴミになっちゃうのは、ね。
環境問題に思いをはせたのもつかの間、目の前の見慣れぬ刃物たちにすぐ心奪われる、集中力と思考力のない我々。

これは・・・蕎麦切り包丁!

蕎麦切り包丁

「そうです。持ってみてください、重いでしょう。この重みで切るんですよ」
おお、ずっしり。
「こっちが中華包丁。切るものによって刃の厚みが変わるんですよ」
骨付肉切用のは、これはもうナタでしょ。これで鶏さんをバッツンバッツン叩き切るのね。
「そしてこれが氷用彫刻セット」

氷用彫刻セット

その後も続々と飛び出す面白げな刃物たち。
使ううちに真中がへこんだ砥石を平らに直す、砥石用の砥石「水平君」。
(これは刃物じゃないか)

水平君


昔懐かしい裁断バサミ。どこの家にもひとつはあったものだが最近は買う人も少なくなったとか。板間に布を広げてこれで切るときの、独特の音をふと思い出す。テープカット用ハサミ。すらりとした美しいフォルム。
最近セレモニーがあまりないので箱入り娘さん状態だそう。早くお嫁にいけるといいね。ハサミ型の爪切り。切れ味や使い勝手のよさで最近よく出るそう。巻き爪さんにもお勧め。ドイツ製の鼻毛切り。刃物は身だしなみにも大活躍だ。葉巻切り。葉巻は先を切って吸うんだそう。「それだけにしか使えません」な形が美しい。

裁断バサミ  葉巻切り
・裁断バサミ(左)と葉巻切り(右)

7665円の糸切りバサミ。腰を抜かした部長が、思わず小数点がないか確認。「見る人が見れば、そして実際に使えば納得するはずですよ」

そして男性部員のハートを釘付けにした、マタギ用のナタコーナー。銘入り、昇り龍のレリーフ入り・・・お値段もご立派だが、実物はもっとご立派。ちっとも高いとは感じない。男性部員は持たせてもらっていたが(かなりずっしりらしい)、部長は♀なので匂いをかぐ程度にとどめておこう。なんじゃそりゃ。

ショーケースには、超〜レアなマタギ用ナタの数々
・ショーケースには、超〜レアなマタギ用ナタの数々

マタギ用のナタとか、ネットに載せたらマニアが喜んで買いますよ、きっと。
「ああ、そうでしょうね。でも、私は直接お店に来ていただいて、直接お話をして、そうして売りたいんですよ。道具はね、手に取って買うのが一番だと思うんです」
目の覚めるようなお言葉。我々はいつからこの感覚を無くしてしまったのか。
「本当はね、他にも置きたい商品がいっぱいあるんです。でも置く場所がね。」
もっといろいろな専用刃物を見てみたいので、ぜひお願いしたいところ。
「これからも地方の専門店として頑張っていきたいと思っています」

店内の商品の知識がすべて頭に入っているようで、すらすらと解説してくれる今井さん。専門ですから、と穏やかに笑うが、並々ならぬ努力の賜物だろう。
我々は、ただ「ほぉ」を連発するばかりだった。しかし、それは心からの賛嘆の声。「用は美に足る」とはよく言ったものだ。為すべき機能を備えて丁寧に作られた道具は、おのずと美しくなる。

あまりお仕事の邪魔をしてはいけないので&部長が一つずつの商品を眺めるのに時間を使い過ぎたので、店内の4分の1も見られぬうちに終了と相成った今回の例会。
まだ中華鍋とか見てないのに〜〜と半べそで駄々をこねる駄目部長を引きずりつつ、解明部員達は更なる謎を求めていずこともなく立ち去ったのであった。

 ★★ 今回の成果 ★★

謎:利研さんって、どんなとこ?

答え:愛と情熱の正当派専門店。


これで、弘前市民の心の霧がひとつ晴れることだろう。 ( つづく )

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『 余剰半の小部屋 』

ここは、謎の解明中に拾った謎とはあまり関係ない「何か」を、解明部部長が披露する部屋。広さは四畳半。ガラクタでいっぱい。住人もいっぱいいっぱい(←いろんな意味で)

今回の「何か」は、この派手な十得ナイフ様。

販促用特大十得ナイフ
・販促用特大 VICTORINOX 十得ナイフ

棚の上に飾られたその姿は、阿修羅像か千手観音をホーフツとさせる。
「ああ、これね。ビクトリノックスっていう有名なメーカーの、万能ナイフの販促用のものです」

もちろん刃の部分は切れないようになってるし、何より「携帯に便利」という利点を完全否定してしまったかのような巨大化。ぷぷ。

販促用の大きなオブジェが大好きな部長は、この写真も撮っておくよう部員に指示。

「何に使うんすか」「余剰半に決まってるべや」「ってか部長、今回、解明じゃなくてただの探検・・・ぐはっ、す、すいません」

部長の華麗なヒジテツが決まったところで、余剰半、お開きでございます。


● ばっくなんばー