アナグラにっき。
「霜月・先負」(曇天)

黒珈琲を牛飲しつつ、猫に左足を咬まれつつ、ちまちまとはんこを彫っている丑三つ時。左足以外は大変穏やかな時間帯。時折、急に瞳孔全開で虚空(っていうか、私の右肩の少し後ろ)を凝視し、身じろぎもせず総毛立つ猫。不審に思い、「何がどうした?」と話しかけたとき。窓の外から聞き覚えのある懐かしい声。「ほあ、ほあ」と、ヘナチョコ拳法家の掛け声のような。下駄をつっかけ表へ飛び出す私。空を見上げる。頭上を白い手裏剣が、くの字に並んで飛んでいる。嗚呼、やっぱり白鳥だ。もう冬だねぇ。しみじみ。冬籠りの準備をしなくちゃ。…………で、私の肩に何がいるんだ?
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