vol.4
「船長さんの椅子」
その2
ロシア人特有の雪のような白い肌に、湖のような深い瞳。鍛え上げられた筋肉質なボディを翻し、あきれるほど長い足で甲板を闊歩する様子は、本当に絵になる。仕事を忘れ、うっとりとヨダレをたらしていたら、デッキの窓にデカ顔・胴長短足の女性が映っている。まさかとは思ったが、やはり自分の姿であった。
「ああ、神様は、なんて不公平なのだろう」と、厳しい現実に、なかばやる気を失いかけたものの、今さらどうにかなるものでもあるまい。
ところで先日、別な取材で、青森港をクルージングする機会があった。
沖から眺めると、青森市は港を囲むように街が形成されているのがよくわかる。津軽二代藩主信牧(のぶひら)が、領内の米や木材を江戸へ海上輸送するためにつくったのが、青森港の始まりであり、後に青森市が大きく発展するきっかけともなったと言われている。
港は、人や物だけでなく、さまざまな文化が行き交う場所。
太平洋から昇る朝日と、日本海に沈む夕日の両方を味わえる青森は、実に恵まれた海洋県なのだ。
(その3へ続く)