vol.5
「街の匂い」
その2

ところで、いざ、その街へ着いてみると、当初抱いていたイメージとの違いに驚かされることが少なくない。
過疎化が進む一方で、地元商店街がユニークな試みに挑戦して奮闘していたり、三世代の女性たちが豪快な笑顔で店を切り盛りしていたりする姿は、本当に頼もしい。
ひっそりとした路地裏に入ると、見落としてしまいそうな小さな鍛冶屋さん。かつて、農耕馬が農作業の主力だった頃の名残なのか、看板には馬鍛冶の文字が読み取れる。暮らしのなかに、人の手技が息づいていた時代のことを少し想像してみる。
街には、その街独特の匂いがあり、住み手の息遣いがある。これを、うまく活かして街の振興に活かせないものだろうか。
たとえば、街ごとに、「我が街自慢の瓦版マップ」を作ってみるのは、いかがだろう。商店街の店は、一件ずつ我が店自慢のコメント付きで紹介。こおりみんずやのオガサマ秘伝の漬物の漬け方、乾物屋のジサマ直伝のご長寿体操、豆腐屋のオドサマ推薦の街一番の看板娘。
あくまでも、街の主役は住み手であるから、建物よりも人間をできるだけ多く登場させることが大事。
その街の住民が、何やらいつも楽しそうに笑顔で暮らす場所は、それだけで訪ねてみたい気にさせられるのではないだろうか。
てなわけで、これをご覧になった市町村観光課の担当者の皆様、ご用命の際にはぜひご一報を!(終)


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