vol.9
「迷えるガーデナー」
その2
今、若い女の子達の間では、「ニューBONSAI」なるものが流行中だとか。平皿にお団子にした土を乗せ、植物を植えたら、土の上から苔をペタペタペタ。春には芽吹き、秋には紅葉も楽しめる小さな箱庭の完成である。若い女の子と盆栽の取り合わせは一見不思議に思える。でも、ケータイやPCなんかのメタリックな質感に囲まれていると、日本人の心のなかに眠っている「和モード」が、バランスをとりたがるのかもしれない。
さて、我が家の庭に目をやると、イングリッシュガーデンに憧れて、つい購入してしまった輸入苗や、目新しさだけで飛びついた交配種の類は、夏の間に消えてなくなっていることに気づく。炎天下、ボンドゴを黒光りさせて頑張って毎日世話したのにも関わらず、である。きっと、ヨーロッパの冷涼な気候を好む植物は、内陸の弘前に耐えられなかったのであろう。結局、自然淘汰されて残ったのは、昔から各家々の軒下に咲いていたような、日本古来の馴染み深い植物ばかり。生き物は正直なのだ。
その土地の文化は、気候や風土と密接に結びついて育まれてきた。庭造りにだって、同じことが言えるだろう。津軽の四季の移ろいのなかでその時々に美しく、植物にも無理なく、それでいて自分の気持ちにも、フィットする庭がつくりたい。こりゃ、当分、私のボンドゴは、美白とは縁がなさそうだ。
(終)