vol.13
「都市伝説」
その1

先日、青森市内で行われた忘年会場でのこと。いつもチームを組ませてもらっているカメラマンS氏が、ふと言った。
「実は、僕の家の向かいに住んでいる親戚のおばあちゃんが、杉沢村出身なんですよ。」 「エーッ!杉沢村って例の場所でしょ?じゃ、Sさんも実はあの村で生まれたとか?」 「ひょっとして、あの事件の秘密を知ってたりして?」 「そう言えば、テレビ局の人を案内してた村人って、Sさんに似てるよナー」。みんな面白がって、てんでに突っ込みを入れるので、話はどんどん大きくなっていく。 会場のホテルからの差し入れで、ボジョレーヌーボーをたらふく飲んだ私達は、いつにも増してハイテンションなのである。 「勘弁して下さいヨ〜。僕は、生まれた時から青森空港のそばっスよ。ほら前に、新山千春と、ご近所だって話したじゃないですかァ」。
茶髪のサラサラヘア、氷川きよしそっくりのルックスの彼は、撮影に行く先々で「ネェ。『やだねったら、やだねェ』って歌ってみて」と頼まれるらしい。 そんな今風の風貌の彼と、おどろおどろしい杉沢村伝説は、全く結びつかない。だが、その夜の二次会の店では「杉沢村出身のSさんは、顔にモザイクをかけてもらって、テレビの取材に答えていたらしい」というエピソードが、まことしやかに伝えられていた。
(その2へ続く)


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