vol.14
「二〇〇二年の子どもたち」
その1
小学五年生の我が家の娘は、のほほんを絵に描いたような子どもである。「行って来まーす!」と、はりきって学校に出かけるが、玄関にランドセルを置きっぱなし。また、下着のシャツを裏返しに着たり、パジャマの上にトレーナーを着て、気づかないまま登校することも珍しくないトホホなヤツである。
私が小学生の時、身体測定の日になると急に腹痛を訴える男子がいた。身体測定が終わったとたん、ケロリとして校庭を駆け回っている様子を疑問に思い、そっと尋ねると「パンツだっきゃ、たまにしか穿いでこねンだネ」と、のたまった。つまり、彼には脱ごうにも脱げない事情があったのだ。
我が娘も、身体測定の日にパジャマを着ていたら、彼のように、仮病で事態を回避するのだろうか。もしかしたら、そこまで知恵が回らないかもしれない。二重三重の庇護下のもと、生きていく力や、たくましさが育ちにくいといわれる現代っ子。もちろん原因は、本人にもあるだろうが、そういう環境を与えている親や社会にも一因はある。
そんなことを考えていた矢先、娘の通う小学校の五学年で、面白い校外学習が行われた。弘前市について調べたいテーマを決め、グループごとに自主見学に出かけて、結果を発表するというもの。
四人一組、与えられた予算と時間をどう配分するかも、腕の見せどころ。
緊急時のために、各グループに一人ずつ保護者が付き添った。
(その2へ続く)