vol.15
「年賀状考」
その2

また、自らを虚弱体質だと言い張る古い女友達は、一種の病気フェチだ。毎年書き連ねてくる病名は、どれも重病・難病といった深刻なものではなく、せいぜいが腰痛や四十肩、花粉症といったものだが、数年分のハガキを並べて見ると、まさに圧巻。彼女の病気遍歴が時系列で整理され、カルテとして保存しておくべきか、真剣に悩む。
一方、仕事関係者からは、やはりアートっぽい雰囲気のハガキが多い。 弘前市在住のカメラマンY氏から、女性のオールヌードの年賀状が届いたのには驚いた。が、モデルさんの中性的な雰囲気と、背景の樹木がマッチして、いやらしさが少しもないのが不思議だ。
今、年賀状をやりとりしている人のなかには、頻繁に顔を合わせる人、遠く離れて年賀状だけのお付き合いしかない人など、関わり方の密度はみんな違う。 しかし、その人たちから有形無形の財産をもらって、今の私が在ることは確かだ。二〇〇二年は、どんな出会いがあるのかな・・・・。
ところで、年賀状ではないが、今までお会いしたなかで、一番印象的なハガキ名人は、ご存知「伊奈かっぺい」さんである。取材でお目にかかった翌日には、もうお礼状が届いた。一説によると、かっぺいさんのハガキはメールよりも早いらしい。そして、ハガキの文面が洒落ている。 「御来場感謝 もし記事を書くとしたら、現実よりよく書いて下さい・・・」。これを読んで、ますますかっぺいさんのファンになってしまった私である。
(終)


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