vol.25
「通販カタログ斜め読み」
その1

原稿の締め切りが重なって家に閉じこもっていると、無性に買い物に出かけたくなる。断っておくが、普段はそんなことはないのだが、この時期ばかりは物欲の鬼だ。まるで、中村うさぎさんが乗り移ったかのように、お買い物ボルテージが高まってくる。 そんな時、私を癒してくれる心の友は、通販カタログだ。 実は、このところ毎日のように各社の夏のカタログを見ているので、何ページにどんな商品が掲載されているか、そらで言えるほどだ。 しかし、通販カタログというのは、どうしてこうも女心をくすぐる仕掛けが散りばめられているのだろうか。 「夏モードにチェンジ!バカンス色のワンピース」も、「デッドスペースがいきる ゴミ箱付きキッチン収納庫」も、色のバリエーション、サイズ展開共に、至れり尽くせり。価格だって、「この値段なら、まっいっか」と、主婦が即決できるゾーンに設定してある。 つまり、見ているうちに、「そう言えば、私って前からこんなのが欲しかったんだよね」と、錯覚させる妙技にたけているのだ。 また、カタログに掲載されている商品構成も、時代のカラーが反映されて面白い。男女共同参画社会という言葉が盛んに使われ始めた頃から、お父さん用おんぶひもなどの育児グッズが登場し始めた。 O−157など食中毒が問題になった時は、お弁当用衛生シートやハンドソープの特集。ここ数年は、ガーデニング用品、香りグッズや竹炭などの癒し系・なごみ系雑貨。それと、ますます元気なシニア世代をターゲットにした、家庭用そば打ちセットや社交ダンスの衣装なんてのが多い。また、少し前までは、ほんの小さな扱いだった大人用紙おむつなどの介護用品も、どんどん増えてきた。
(その2へ続く)


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