vol.26
「タイ料理教室で」
その2

二十分ほどで部屋中にいい香りが漂ってきた。出来上がったカレーは、ピリ辛感に、鶏肉と野菜の旨み、ココナッツミルクの甘さがとけあって、いくらでも食べられるおいしさだ。サラサラとしたスープ感覚の食感もこれからの季節にピッタリ。参加者たちからは、「おいしい!どこのお店に行けば、材料が買えますか?」という声が次々にあがった。 大学を卒業し、看護婦さんをしていたが、医療機関に勤める日本人のご主人と結婚し、こちらへやってきたパヴイニーさん。「弘前に来てまだ四年目。料理教室を通して、日本のお友達をいっぱい作りたいんです」。 世界地図を広げ、タイの食文化について一生懸命紹介してくれる。 胃袋でつなぐ国際交流とでもいうのだろうか、タイが急に身近な国に思えてきたから不思議だ。 日本と韓国は、今まさに世界中の文化の見本市のような日々。私たちは、自分たちの国の文化を、彼女のようにさわやかに、そして誇りをもって伝えられただろうか。 「母がベトナム人なので、ベトナム料理もできますよ。今度はみんなで生春巻きを一緒に作りましょうね」と言ってくれたパヴイニーさん。鼻の奥がツーンとなったのは、唐辛子のせいばかりではない。
(終)
おかげさまで「津軽へのラブレター」を連載させていただいて、一年が過ぎました。いつも読んで下さってる方、メールで励ましのお言葉を下さる方、本当にありがとうございます。 次回からは、津軽の話題に限らず、いろんなテーマを盛り込んでいきたいと思います。題して「犬も歩けば・・・・」。残念ながら、犬のような鋭い嗅覚はありませんが、ライターの私があっちこっちで見聞きしたことを紹介できればいいなと思います。そんなわけで、これからも、どうぞよろしくお願いします。


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