vol.27
「アートの青空市場」
その1

全国のクラフト作家が集まった「C−POINT2002」というイベントに行って来た。場所は、鰺ヶ沢町の日本海拠点館と、隣接する海浜公園。小雨まじりの天候にも関わらず、会場前の駐車場には、すでに人だかり。受付では、今回誘ってくれたKさんが、手を振ってくれている。 会場に入ると、陶器、ガラスの器、木の家具、裂き織りなど、九十四人の作家が思い思いのスタイルで作品を並べていた。芝生の上にテントを張って作品を広げたり、公園の木立ちのすき間から、動物のオブジェをちょこんとのぞかせたりと、飾り方にも個性があって歩いていても楽しい。 目の前はすぐ日本海。海をわたる風も心地良く、さながら、海と空と大地を舞台にした「アートの青空市場」といった雰囲気だ。作家さんたちも陽気な方が多く、作品についてのエピソードをあれこれ話してくれる。 なかでも、家族連れに大人気だったのが、弘前市出身で東京都在住の多田広巳さんの「音」のコーナー。笛や打楽器などの実演をしているのだが、その音色が何ともユニークなのである。吹き方によって「いやーん」「はーい」という音が出るので、子どもたちに大好評だった。 私は仕事柄、作品展などの取材にも出かけることが多いが、しーんと静まりかえった画廊の棚に鎮座まします作品は、時として近寄りがたさを感じてしまうこともある。その点、こうした交流型の作品展は、来場者が親しみやすいことはもちろん、作家さんたちも、お客の反応がダイレクトに伝わり、制作の励みになるのではないかと思う。 自分の作ったものを、自分で売る。あたりまえのことのようだが、分業制の社会の仕組みのなかでは、それはきわめて珍しいことだった。だが、最近は少し違う。第一次産業に分類されていた農業は、今や第六次産業と呼ばれる時代。生産だけに留まらず、加工品作りや販売まで行うことで、第一次から第三次産業までの複合的な要素を兼ね備えた、新産業になってきているらしい。アートの現場でも、新しい風が吹いているのだろうか?
(その2へ続く)


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