vol.3
「太陽を運んできた人」
その1

まるで、梅雨を思わせるような今年の夏。我が家では、恒例のキャンプも雨で中止。夏休みに計画していたイベントも、ことごとく雨にたたられた。庭の隅っこで育てているミニトマトも枝豆も、生育が思わしくない。「お天道様が恋しいよー」と、気分が滅入っていた矢先、真夏の太陽のようにキラキラと輝やく女の子に会った。 陸上女子長距離界のホープ・福士加代子さん(二十歳)。七月に行われたベルギー国際陸上女子五千メートルで、日本新記録をマークしたばかり。所属するワコール陸上競技部の夏合宿が青森市で行われるというので、取材スタッフらと合宿所を訪ねた。 「よろしくお願いします」と、マネージャーと共に現れた彼女は、テレビで観るよりもスリムだ。百六十一センチ、四十五キロ。髪の毛は、限りなく金髪で焼けた肌によく似合う。板柳町の理容店に生まれ、五所川原工業高校で陸上を始めた。卒業後、ワコールに入社し、昨年は、三千、五千、一万メートルで日本ジュニア記録更新。今年七月には、欧州の国際競技会で三戦連続して日本新記録を出すなど、女子陸上で、今最も注目を集めている一人なのだ。
(その2へ続く)


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