vol.3
「太陽を運んできた人」
その2
だが、取材に応じる彼女は、気負った所が全くなく、むしろ、ひょうひょうとしたトークで周囲を和ませてくれる。今年の横浜国際女子駅伝で、右肩に「バク走」、左肩に「サイヤ人」とマジックで書いて走った理由を尋ねると、「意味ですか?ナンもないです。髪の毛がバクハツしてたから、ドラゴンボールに出てくるサイヤ人に似てるかなーと思って・・・」と、屈託のない笑顔。
海外での競技会、北海道での合宿、マスコミ各社の取材・・・。ハードなスケジュールにもかかわらず、自然体で明るい彼女は、まわりの人たちまで楽しくさせてくれる。
普段は、京都にある陸上部の寮で暮らしている。「休みの日は、街を探検したり、好きで集めているピアスを見て歩くのが楽しい」のだと言う。
取材が一段落し、今度は県総合運動公園での練習風景を撮影させてもらう。目の前を駆け抜ける彼女の姿は、体全体が安定し、見ていても惚れ惚れしてしまう美しさ。まさに、国内トップレベルの走りだ。「監督や、チームメイト、まわりの環境に恵まれて、今最高に走りやすいんです」と、走るのが楽しくてたまらない様子。二十歳で、国内トップ選手に駆け上がりながら、常にこうした感謝の気持ちを忘れないのも、彼女の性格の良さだろう。
「リンゴジュースが好き」と言っていた福士さん。異常気象の津軽の夏に、まぶしい太陽のように現れ、その後、アメリカ・ボルダーでの高地合宿へと旅立った。
(終)