vol.5
「お月さん、まんまる(上編)」
その1

三連休を利用して、家族で岩手と秋田を旅行した。盛岡ICから市内に入り、まず向かったのは、焼肉・冷麺の店「ぴょんぴょん舎」。盛岡に行ったら必ず立ち寄る店の一つだ。ここの冷麺とクッパは本当においしい。この店に行くと、いつも胃袋が一個しかないのが悔やまれるほどだ。 食事の後は、娘のたっての希望により、動物園へ向かう。連休のせいもあり市内は渋滞していたが、裏道から抜けて目的地へ。昔、この街で貧乏学生をしていた夫・ケンヂ氏は、米屋で配達のバイトをした過去をもつ男。そのせいで、やたら市内の地理に明るいのだが、今回、彼を襲った衝撃の事実は、米屋が無くなっていたことだ。「あっ、米屋がない!もしかして、店のおばあちゃんが亡くなって、店を閉めたんだろうか・・・」。ケンヂ氏のテンションは、一気に下降線をたどる。 観光を終え、盛岡から雫石町を通り、約一時間程の所にある「沢内銀河高原ホテル」へ。白壁と石造りの瀟洒な外観も素敵だが、隣接する「銀河高原ビール工場」で造った地ビールが楽しめるのも魅力。九十分飲み放題、千五百円でジョッキ八杯平らげたケンヂ氏は、再びテンションが上がる。「米屋消滅事件」のショックはどこへやらである。
(その2へ続く)


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