vol.6
「リメイクはお好き?」
その2
雑誌には、「ちょっとしたおでかけにもOK!」とあるが、どう見ても二泊三日の旅行用サイズだ。バッグの大小が何を意味するかは、私の口からは言いたくはない。私は、例のやせ薬売り(vol 1参照)の声をぼんやり思い出していた。
ところで、三日前のこと。取材先でとてもカッコいいリメイクの達人にお会いした。海に関する記念フォーラムの会場で、パネリストとして壇上に現れた女性が、何と大漁旗をリメイクした上着をお召しになっていたのだ。フリーアナウンサーの奥村潮さんだった。来場者のなかには、漁業で生計をたてている方も多いことから、視覚効果もバッチリ。粋な演出をされるなあと感心した。
今では人気の手芸としてすっかり定着したパッチワークも、もともとはアメリカ開拓時代に女たちが始めたものだ。また、寒冷な気候によって綿花の栽培が難しかった青森県でも、すり切れた着物を小さく切ってつなぐ「継ぎ物」が盛んに行われたという。物のない時代において、家族を少しでも寒さから守り、物の命を慈しむ女たちの知恵だったのだろう。
物は豊かになり、リメイクはファッション的な要素が強くなった。だが、秋の深まりと共に、むしょうに針と糸に触れていたい気分になるとき、生活のなかで布と接し続けてきた女たちの血が、私のなかにも流れているのかなあと考えさせられるのだ。
(終)