vol.21
暮し方はその人を語る?
その1

英語はまるで苦手だが、洋書を眺めるのが大好き。外国へ旅行に行く友達から「お土産、何がいい?」と聞かれると、必ずリクエストするのが外国の絵本やマガジンの類だ。 なかでもお気に入りは、1987年に創刊されたアメリカの人気月刊誌「ヴィクトリア」。毎回、優しくエレガントなスタイルのインテリアを紹介しながらも、毎日の暮らしを楽しむヒントが随所に散りばめられていて、見ているだけでワクワクする雑誌の1つだ。 仕事柄、初対面の方のお宅におじゃまする機会が多いのだが、住まいというのは面白いモノで、その人の隠れた一面が見え隠れすることも多い。 いつも外では男性的な雰囲気を醸し出している女性が、意外に可愛い小物の収集家だったり、家事は苦手と宣言していた女性宅で、きちんとアイロンのかかったテーブルクロスの上に、プロ級の手作りケーキが出されて感激したこともあった。すがすがしく打ち水された玄関のたたき、訪問者の人数分揃えられたスリッパ、トイレに飾られた庭の花一輪からも、お客を待っていて下さったその方の気持ちが伝わってくる。こういう振る舞いは、インテリアという要素に、さらに気配りというエッセンスが加わる。 ところで、見知らぬ街を歩いていると、昭和初期のレトロな建物や、木立のなかの洋館を見つけ、どんな人が住んでいるのだろう?と、無性に気になることがある。たぶん、芸術家か音楽家の仕事場か何かだろうと思われるが、確かめる術もない。 ずっと以前、そんな疑問と好奇心を一気にはらしてくれるような仕事の依頼を受けたことがある。東京の某出版社が「現代のアーティスト100人」という本を出すことになり、編集作業を手伝った時のこと。わたせせいぞうさん、妹尾河童さんといった画家やイラストレーターのアトリエを訪ね、作品をお借りし本人からコメントをもらう。それが、まず最初の作業だった。
(その2へ続く)


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