vol.26
街は鏡のごとく
その1

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」と書いたのは川端康成だが、私は今、8ヶ月間に及ぶ長〜いトンネルを抜けた開放感と脱力感から、トドのように横たわっている。 トド化に至ったそもそもの発端は、今年の初めに「弘前市の中心商店街がタウン誌を出すことになったので、取材と原稿書きをやってもらえないか」というお誘いの電話だった。 おお!!弘前市のタウン情報誌!これこそ、まさに私がごく個人的に「やるなら今だ!ベスト5」に掲げていたプランニングの1つだ。 城下町・弘前は、空襲を免れたこともあり、レトロな看板、風格のある建物など、藩政時代の名残を感じさせてくれる古いモノが街のあちこちに残っている。また一方では、学園都市らしい華やかな面も持ち合わせており、お洒落なお店を目当てに、青森市を含めた近隣市町村からの買い物客も多い街だ。ここ数年、駅前の再開発に伴って、駅から土手町まで続く遊歩道をはじめ、街路の整備が進み、歩いてショッピングを楽しむ環境が整ってきた。さらには、市内を縦横に走る「100円バス」、観光客に無料で自転車を貸し出す「サイクルネット」など、街歩きを応援するハード面の整備が進んできたのだ。 まさに、タウン誌を出すには絶好のタイミングである。 聞けば、土手町・駅前町など6つの中心商店街が共同で1冊のタウン誌を発行するという。こうしたスタイルも、今までに例を見ない形である。 企画・取材・原稿書きにあたったのは、市内に住む20代〜30代の女性たち。「取材は初めて」という彼女たちをサポートする形で、私も活動に加わらせていただいだ。
(その2へ続く)


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