vol.36
猪突猛進型人生
その2

18才の時、彼女が予言した通り、その後も私は思い込みの激しさから、エピソードに事欠かない人生を送っている。 地元に戻り、しばらくプー太郎だった私を見かねて、友人のお母さんがバイト先を紹介してくれた。ある朝、職場に向かって歩いていると、私の脇に1台の車がすーっととまった。 自分の職場に向かう途中、たまに叔父が拾ってくれることがあったので、私は「おっはよう!!!!ラッキー!」と、ドアを開け助手席に乗り込んだ。助手席に愛妻弁当があったので、その包みをむんずとつかんで膝の上に乗せた。ところが、車内の雰囲気が叔父の車と違う。ハッとなって運転席を見ると、見知らぬ中年の男性が、絶句したまま驚いた顔でこっちを見ている。 私はとっさに、「どちらさんですか?」と尋ねたが、どう考えても、それは向こうのせりふだろう。後続車がクラクションを鳴らすので、車はゆるゆると走り出した。私は、赤くなったり青くなったりしながら必死で弁解し、失礼をお詫びした。 すると、話しているうち、あろうことかその男性は、私のバイト先のおエライさんであることが判明した。よりによってである。 「はっはっは。あなたは、面白い人だ」と、笑い飛ばしてくださったのでなんとか救われたが、職場で語り草になっているのではないかと、しばらくは身の縮む思いがした。 その後も、数々のハプニングと共に、我が人生はある。知らず知らずのうちに、そういう事態を引き寄せてしまうらしい。この先、どんなスリリングな展開が待ち受けているのかと思うと自分ながらちょっとコワイ。
(終)


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