vol.37
ご案内
その2

その後も子どもの成長に従って、学習机、ランドセル、学習塾、学校の制服と、「ご案内」は途絶えることを知らない。今後も、車や成人式の着物といったセールスが続くのかと思うとウンザリだ。 先日、友人が、家族を自宅介護をすることになった途端、介護用品や家事代行サービス会社からの「ご案内」が届くようになったと話していた。「どこでどう調べるのか知らないけどさあ、プライバシーが筒抜けになっているようで、薄気味悪くてたまらないよね」。 本当にその通りだ。病歴などを含め、人に話したくない個人情報が流出するのは非常に不愉快である。そうした背景には個人データを売買する闇の業者が存在し、市場ではそれがたれ流しになっているという噂を聞いたことがあるが、そうした行為を取り締まることは難しいのだろうか。 先日も、「ヤフーBB」から加入者情報が大量に流出する事件が起こった。延べ570万人分の顧客の情報が流出するという、これまで最大規模の個人情報流出事件だ。 先日、知り合いとこの事件の話をしていた時のこと。友人の一人にとんでもないお金持ちと結婚した女性がいるそうなのだが、「個人情報が流れて、またDMが増えると嫌だわ」と困惑した様子だったので、試しにどんなDMが来るか聞いてみたという。 そのマダ〜ムの話によると、「この間は、無人島を丸ごと買いませんか?とか、お子さんのご入学祝いに、星を1つプレゼントしませんか?という話もあったわ」とのこと。 知り合いと私は、「資産家には資産家なりの悩みがあるもんだねえ」と、妙に納得しながらも、世の中には自分たちとは無縁の「ご案内」があることを知り、遠い目をしたのだった。
(終)


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