vol.38
地場のヒット商品
その1

市場が好きで、旅先でも市場があるとひょいとのぞく。見たこともない形の魚や、見慣れない野菜。見知らぬ土地で、地場の産物にふれる楽しみもある。そして、何よりも、土地の言葉が飛びかうなか、普段着の暮らしが垣間見える嬉しさがある。 売り場の片隅で、丸イスに腰掛けたおばあちゃんが、ウドの皮をむいている。サクサクに切ったウドを、店の脇の調理場でさっと湯がき調味料で和えたら、酢みそ和えの出来上がり。バットの上に広げれば、たちまち春の香りが漂ってくる。 物を売り買いするだけでなく、こうしたパフォーマンスによって、季節感を感じられるのもいい。 ところで、このような市場では、地場の野菜や魚を加工して作った加工食品をよく見かける。たいていは、地元の農家のお母さんや漁師の奥さん達が、自分たちでアイデアを出し合って製品化したものだ。このような製品が、発案されてから一般に認知されるまで、どのようなプロセスをたどるのだろうと常日頃から疑問だったのだが、ある会議にお邪魔して、その一端を垣間見た気がした。 その会議とは、これから販売予定の、あるいはすでに販売している県内の加工品をさらにレベルアップさせるために、作り手自らが会場で商品を説明し、プロの方にアドバイスを仰ぐというものだ。 今回、公開評価に出品したのは、県内9箇所の会社・団体だ。それぞれの商品に対し、価格や包装デザイン、食品衛生、品質保持などの観点から、7人のアドバイザーが提言や意見を述べる。
(その2へ続く)


エッセイ目次へ戻る
Topへ戻る